社員インタビュー






先が読めるものはつくらない。
プロデュース本部が語る、
オープン直前まで粘り抜くものづくりの裏側
扉を開けた瞬間に飛び込んでくる圧倒的な世界観と、日常を忘れさせる空気感。
たのしいミュージアムが届ける体験は、お客さまが足を踏み入れる空間があって、初めて完成します。
そんな空間設計には手本になる前例がないからこそ、コンセプトの追求から施工現場のミリ単位の調整まで、妥協のない試行錯誤を繰り返してきました。
2026年8月にオープンした「うんこミュージアム YOKOHAMA BAY」の空間づくりに全力で向き合った3人に、
正解のない体験を立ち上げる難しさと、この仕事ならではの面白さを聞きました。
代表取締役
小林 将 (こばやし まさる)・左
エンターテインメント開発部
テクニカルディレクター(空間設計)
津留 さくら (つる さくら)・中
エンターテインメント開発部 部長
蜂谷 亮平 (はちや りょうへい)・右
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01. 自分たちの手で、企画から空間までつくりきるチームへ
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02. 自社で空間を持つからこそ、オープンの直前まで手を加え続けられる
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03. デザインのセオリーよりも、現場で積み上げてきた「感覚の蓄積」を頼りに
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04. 先が読めるものはつくらない。誰もが直感で楽しめる「BIG & NEW」な空間へ
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05. 空間の制約があっても、演出の密度とアイデアでひっくり返せばいい
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06. 図面を見るだけじゃ分からない。実寸で試しながら、違和感を一つひとつ潰していく
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07. 固定観念を壊しながら、世界中が直感で笑えるエンターテインメントをつくりたい
01
自分たちの手で、企画から空間までつくりきるチームへ
まずは、みなさんの現在のお仕事と、チームとしての役割から教えてください。
- 小林:
- たのしいミュージアムの代表と、プロデューサーを兼任しています。プロデュース本部は大きく2つに分かれていて、企画の根幹を立てるプロデュース部と、それを実際の空間へ落とし込むエンターテインメント開発部があります。
私は主にプロデュースの側から、「どの都市や商業施設に出店して、どういうコンセプトで展開するか」を決めていく役割を担っています。 - 蜂谷:
- エンターテインメント開発部の部長をしています。部の中には、設計をリードするテクニカルディレクション、施設の設備保守・メンテナンス管理を行うテクニカルサポート、進行を管理するプロジェクトプランニングの3チームがあり、私は全体を統括しています。
- 津留:
- 私はテクニカルディレクションのチームで、設計の実務を担当しています。施工会社や設計会社、そして共同企画・制作パートナーの企業とやり取りを重ねながら、図面を実際の空間に落とし込んでいく役割です。
企画を立てるプロデュース側と、設計を担う開発側。チームとしての機能は分かれていますが、店舗づくりの現場ではどのように連携して進めているのでしょうか?
- 小林:
- チームとしての役割分担はあるものの、最初からメンバーそれぞれにきれいに役割を切り分けて動いているわけではないんですよ。
たとえば新しい店舗の立ち上げを決めるときは、まず出店先となる都市や施設を探す動きと並行して、「次はどんな新しいコンセプトでやろうか」という企画の議論が動きます。
その初期段階では、役職の垣根は関係ありません。みんなでブレストしたり、国内外の施設へ視察に行ったりして、新しい体験の種をとにかく広げていきます。
会場と区画が決まって初めて、「この区画にどのコンテンツ(うんこミュージアム内の個々の体験)を配置すれば、お客さまがスムーズかつ新鮮な驚きを持って回れるか」という具体的な設計に入っていくんです。 - 蜂谷:
- 区画が決まってからは、理想と現実の往復ですね。全体を貫く大きなコンセプトやテーマカラーの方針がまずあって、それをいざ図面に落とし込もうとすると、「使える有効スペースに対して、この配置は現実的じゃないね」といった物理的な壁が見えてきます。だから、コンセプトの理想と図面の現実を、何回も行き来しながら詰めていきます。
- 小林:
- 2019年に一番最初の横浜店(※期間限定)やお台場店(うんこミュージアム TOKYO)を立ち上げたときは、私たちの側に勢いはあっても、空間として組み上げる実行力は外部に頼るしかありませんでした。実は当時、施工会社側としてその現場を形にしてくれていたのが蜂谷だったんです。
そのあと創業を経て蜂谷が加わり、津留のような空間設計の温度感を内側で握れるメンバーが揃ったことで、自分たちがやりたい世界観を自分たちの手で形にする道筋が、ようやく整ってきました。
02
自社で空間を持つからこそ、オープンの直前まで手を加え続けられる
外部のデザイン会社や施工会社に依頼するだけでなく、自社で企画から設計・運営までを一気通貫で手がける強みは、どこにあるのでしょうか?
- 蜂谷:
- 一番の違いは、「納品して終わり」にならないところですね。受託の仕事だと、どうしても「図面どおりに施工して引き渡すこと」がゴールになりがちです。でも私たちは、引き渡した瞬間からが本当のスタートなんですよ。
自分たちが運営する場所だからこそ、現場の施工が進んで空間ができてきた段階でも、「ここはもっとこう直したほうが面白い」「お客さまの動線としてこっちのほうがスムーズだ」と気づいたら、工期の許す限りギリギリまで粘って手を加えます。 - 津留:
- 施工の最終盤、現場に立って初めて気づくことって本当にたくさんあるんですよね。たとえば照明の当たり方ひとつとっても、図面上の計算と実際の空間では見え方が違います。
「もう少し光量を絞って雰囲気を出したい」「この角度からうんこにハイライトを当てたい」といった細かな調整を、現場で職人たちと直接やり取りしながら追い込めるのは、自社で空間を持っているからこその強みだと感じます。
最後の最後まで、手を加え続けているんですね。
- 小林:
- 一般的な発注関係だと、現場での変更はどうしても「追加費用」や「スケジュールの遅延」として敬遠されてしまいます。もちろん無茶な変更は現場に迷惑をかけますが、「体験の面白さを最大化するため」という目的を全員が共有できているからこそ、最後の1ミリまで妥協せずにチューニングできるんです。
- 蜂谷:
- 施工会社や職人たちも、私たちの本気度が伝わると「そこまでこだわるなら、こう納めようか」と前のめりに協力してくれるんですよね。自分たちが信じる世界観に共感して巻き込まれてくれるパートナーがいるからこそ、現場でのギリギリの粘りが形になります。
- 小林:
- 作って終わりではなく、オープン後もお客さまの反応を見ながらコンテンツをアップデートしていける。空間を「完成品」として固定せず、生き物のように育てていけることこそが、私たちのチームが持つ最大の強みですね。
03
デザインのセオリーよりも、現場で積み上げてきた「感覚の蓄積」を頼りに
内製で空間をつくれる体制が整ってきたのですね。商業施設の内装や空間をデザインする際、一般的には「心地よさ」や「回遊性」を生み出すセオリーがあると思います。うんこミュージアムの空間づくりにおいても、理論がベースにあるのでしょうか?
- 蜂谷:
- たしかに、一般的な空間デザインのセオリー自体は、世の中にたくさんあります。ただ、私たちが最も拠りどころにしているのは、教科書的な理論ではなく、これまでうんこミュージアムを運営しながら蓄積してきた知見や感覚なんです。
どんな順番で見せれば驚きが生まれるか、体験としてどれくらいの広さが必要か。現場で積み重ねてきた感覚値があるからこそ、あえて型を崩したり、新しい要素を入れたりする挑戦ができます。
たとえば、2026年8月にオープンした横浜店(うんこミュージアム YOKOHAMA BAY)では、蓄積した型をベースにしながら、ほとんどの体験を新しく設計し直しました。 - 津留:
- 横浜店はお台場店とエリア的にも近かったので、「既存の店舗とは絶対に別物に仕上げたいな」という強い想いがあったんです。そこで「うんこLOVE」というコンセプトを掲げて、空間全体をピンク一色でやりきるという挑戦を決めました。
- 蜂谷:
- 横浜店は、津留の「ピンクでやりきりたい」という熱意が出発点になっているんですよ。熱意を起点にしながら、2019年のお台場店や2025年にオープンした名古屋店(うんこミュージアム NAGOYA)での課題を洗い出して、「今回の区画でどの体験をメインに据えるか」を全員で揉みながらレイアウトへ落とし込んでいきました。
一人の「やりきりたい」という熱意から、店舗全体のコンセプトが動いていくのですね。
- 小林:
- ただ、どの店舗でも絶対に外さない「体験のコア」はあります。
うんこミュージアムには、便器に座ってマイうんこがゲットできる「MY UNKO MAKER」と、巨大な火山「ウンコ・ボルケーノ」があります。うんこパワーが集まると「ウンコ・ボルケーノ」で噴火イベントが起こる、という主軸の流れですね。
大事なのは、個々のコンテンツを1個1個つぶさにやってもらうことではなく、空間全体に没入して「うんこミュージアムに来たぞ!」と感じてもらうことです。
MY UNKO MAKERが最初のきっかけ作りになっていて、体験の前後で「ここはどんな場所なのか」を理解してもらったり、遊び方を知ってもらったりして、世界観への心構えをしっかり後押しする構造になっています。
MY UNKO MAKERを抜けて出ていくと、目の前にどーんと大きなウンコ・ボルケーノが広がっています。「とんでもないところに来てしまった、ここがうんこミュージアムだ」というのが、体感的にも視覚的にも一発で分かります。体験の流れと、実際のものの配置がちゃんとシンクロするように設計しているんです。 - 津留:
- だから、エントランスからどう誘導して、シンボルであるボルケーノにどうアプローチしてもらうか。ふたつの軸をベースにして、配置には相当気を使ってレイアウトしています。
やっぱり最初のところで、うんこに対する固定観念を打ち砕きたいんですよね。「初めて来場した人でも、ひっかかりなく楽しめるものになっているか」「どちらの順番のほうが感情が動くか」と、チームでかなり議論して決めました。
04
先が読めるものはつくらない。誰もが直感で楽しめる「BIG & NEW」な空間へ
「過去の成功パターンを大切にしながらも、あえて崩していく」というお話がありました。その判断は、何を基準に行っているのですか?
- 津留:
- 「簡単に想像できちゃうものはどうなの?」という問いは、議論の中でずっと立ち返っている視点ですね。想像できる程度の仕掛けだと、お客さまも「こうなって、こう終わるんだろうな」と先が読めてしまいます。
そうならないように、予想もしていない方向へ裏切れないかと、チームでアイデアを重ねてきました。
私は前職で10年ほど商業施設などの内装設計に携わってきましたが、一般的な店舗をつくるときは、たとえば「ブルックリン風」のように確立されたモチーフがあって、そこに寄せて設計することが多いんです。
でもここでは、何のカテゴリもない未知の空間をつくる。実物の建材や家具をそのまま置いてみたこともあるのですが、既存のものって、やっぱり本物の文脈には敵わないんですよね。
世の中に前例がないものをつくろうとしているからこそ、感覚を掴むのが難しくもあり、一番面白いところだなと感じています。
カテゴリのないものを、感覚とこれまでの蓄積を頼りにつくっていくのですね。
- 小林:
- だから、新しい国を一から建国しているような感覚なんですよ(笑)。ルールなんて最初は何もない。「たのしくつくる」ということだけが、唯一のルールですね。だから一歩一歩積み上げて、手探りでやっていくしかありません。
ただ、「これは絶対に面白いだろう」という確信は、私たちの中に確かにあります。今まで積み上げてきた「こうすれば人の心が動く」という手がかりをつなぎ合わせて、空間に仕立てていく。
当たるかどうかわからない領域に踏み込むからこそ、オープンしてお客さまが歓声を上げてくれた瞬間の喜びもひとしおなんですよ。「予定どおりきれいに組み上がりました、はいどうぞ」というのでは、つくり手としても面白くないですからね。
面白さへの確信は、チーム全体でどのように共有されているのでしょうか?
- 蜂谷:
- 会社の行動指針を言語化するプロジェクトの中で生まれた「BIG & NEW」というポリシーが、現在は全員の共通認識になっています。以前から日常の会話でも出ていた感覚ですが、改めてたのしいミュージアムの社員全員で掲げている指標ですね。
自分たちが手がけてきた現場や、海外のエンターテインメントを視察してきた実感として、「圧倒的に巨大なものは面白い、誰も見たことがない新しいものは面白い」という確信が強くあります。全員がその価値を信じているからこそ、迷わず挑戦できているんだと思います。 - 小林:
- ビジョンやミッション、ポリシーは、日々の判断すべてに共通する分かりやすい指標になっていますね。「デカい、新しい、面白い」。これは空間づくりだけでなく、すべての意思決定における基本です。
私たちのつくり方には、ニッチな表現が一切ありません。「分かる人にしか分からない世界」ではなく、誰に対しても開いていく。
誰もが直感で楽しめて、自然と笑顔になってしまう空間にして、最後はお客さまの自由な楽しみに委ねる。そのオープンな姿勢こそが、私たちのアプローチなんです。
05
空間の制約があっても、演出の密度とアイデアでひっくり返せばいい
面白さを追求する一方で、実際の商業施設には構造上の制約もつきものだと思います。今回の横浜店で、特に難度の高かった設計上の課題は何でしたか?
- 小林:
- 横浜店の区画はかなり特殊でしたね。通常は1つの区画内で回遊動線が完結するのですが、今回は共用通路を挟んで2つの区画に分かれていて、体験の途中で一度外に出る構造になっていたんです。この2つの空間をどう自然につなぐかが、最初の難関でした。
- 津留:
- さらに頭を悩ませたのが「天井高の制約」でした。ウンコ・ボルケーノは本来3メートルの高さが必要なのですが、横浜店の区画は高い場所でも3メートル、低い場所では天井高が2,500ミリしかありませんでした。
シンボルを配置したくても、物理的に入らない状況だったんです。 「ウンコ・ボルケーノ」周辺はお客さまの熱量が最も高まり、うんこミュージアムを象徴する瞬間を目撃する中心地。狭苦しく見せず、どうやって広がりを持たせるか、図面の上で何度も試行錯誤を重ねました。 - 小林:
- お台場店のように巨大なシンボルをそのまま置くことはできない。無理に入れようとすれば噴火演出が天井に干渉してしまう。であれば、「サイズで勝負できない分、演出の密度でそれ以上のインパクトをつくろう」と舵を切りました。
通常はプロジェクションマッピングで演出するボルケーノの本体を、今回は全面LED仕様に変更したんです。高さを抑える代わりに山を2つに分割して、天井面にも連動する照明演出を追加しました。
天井が低いからこそ、光と映像が頭上から包み込むような深い没入感を生み出せた。横浜店ならではの新しい見せ場になりましたね。 - 蜂谷:
- 結果として、当初の想定以上にド派手な空間にできてよかったですよね。
- 小林:
- その分、予算もかなり使い込んでしまいましたけど…(笑)。
空間の制約にぶつかっても、「できないから諦める」という選択肢にはならないのですね。
- 津留:
- 「面白くなる確信があればやりきろう」という会社としての風土があるからですかね。
前職の店舗設計では「売り場面積に対して商品をどれだけ並べるか」「収容人数をどう確保するか」といった明確な基準があり、その枠の中で設計していました。でも、ここでは、その基準自体を自分たちで更新しなきゃいけないんです。
さらに、社内の各部門からもさまざまな要望が上がってきます。MD本部からは「陳列や補充がしやすい動線にしてほしい」、エンターテインメント運営本部からは「列ができるコンテンツの近くに別の体験を置かないでほしい」と意見が出てくる。
それらを受け止めつつ、世界観としての体験価値を守り抜かなきゃいけない。すべてを言われるがままに呑み込んでしまっては、空間の面白さが損なわれてしまうんです。だからこそ、関係者全員と対話を重ねながら粘り強く調整を続けました。 - 小林:
- どんなに社内で議論を尽くしても、最終的にお客さまが足を踏み入れるのは「うんこミュージアム」という一つの空間です。
ここが快適で最高にたのしくなければ、すべてが無意味になってしまいますから。私たちが各所の制約や要望を受け止めた上で、体験の面白さを絶対に落とさない着地点を見つけ出すんです。
正攻法が通じない場所こそ、アイデアで制約を乗り越えていこうという姿勢は常にもっていますね。
06
図面を見るだけじゃ分からない。実寸で試しながら、違和感を一つひとつ潰していく
設計の図面を描くだけでは見えてこない「身体感覚」や「体験の面白さ」もあると思います。そういった部分はどのように検証していくのですか?
- 津留:
- 図面の上で寸法を測って「ここを通れる」と頭で理解するのと、実際に空間に立ったときの体感はまったく別物なんですよね。
だから、図面を描いて終わりではなく、社内の会議室に養生テープを貼って実際の動線幅を再現したり、ダンボールで原寸大のモックアップ(模型)を組み立てたりして、徹底的に身体を使って検証しています。
特に今回の横浜店では「うみだせ!うんこLOVE」という、うんこが工場のように流れてくる新しいコンテンツをつくったのですが、ベルトコンベアの高さやうんこの流れるスピード、お客さまの手が届く距離感など、図面だけでは絶対に判断できない要素ばかりでした。 - 蜂谷:
- モックアップをつくっては、みんなで実際に手を伸ばしてみて「これだと低すぎて大人が腰を痛めるね」「子どもが手を挟む危険はないか」と、体験の心地よさと安全性を両立させるために繰り返し調整していきました。
津留は設計者として本当に妥協しないので、少しでも違和感があると「やっぱりここ、もう1回原寸で試させてください」と声を上げてくれる。その粘り強さがあるからこそ、図面の数字以上のクオリティに仕上がっていくんだと思います。 - 津留:
- ありがとうございます。でも、自分ひとりのこだわりだけでは絶対に形にできませんでした。
蜂谷が施工会社との間に入って「この納まりなら現場で実現できる」と現実的な落としどころを見つけてくれたり、小林がプロデューサーの視点から「この体験で一番届けたい感情は何だっけ?」と本質に引き戻してくれたりしたからこそ、迷わずに突き進むことができたと思いますね。 - 小林:
- 図面って、どこまでいっても「記号」でしかないんですよね。私たちがつくっているのは図面ではなくて、お客さまがその場に足を踏み入れた瞬間の「感情の起伏」です。
だからこそ、社内のプロデュースと開発が同じ熱量で対話し合いながら、現場の違和感を一つひとつ潰していく。この泥臭いやり取りを社内で完結できる体制になったことが、今回の横浜店で一番大きな進化だったのではないかと思います。
07
固定観念を壊しながら、世界中が直感で笑えるエンターテインメントをつくりたい
そうして苦労を重ねて迎えるオープンの瞬間。実際にお客さまが空間に足を踏み入れたとき、みなさんはどんな気持ちになりますか?
- 津留:
- 開館してゲートが開いた瞬間、子どもたちが一目散に走って入ってきてくれるんですよね。「わあーっ!」と声を上げてMY UNKO MAKERに飛びついて、ボルケーノを見て目を輝かせている姿を見ると、本当に泣きそうになります。
図面を描いているときは「本当にこれで楽しんでもらえるだろうか」「狭く感じないだろうか」と不安になる瞬間もたくさんあるんです。でも、お客さまが全力で楽しんでくれている笑顔を見たときに、「ああ、全部報われたな」と心から思えます。 - 蜂谷:
- 何回オープンを経験しても、あの瞬間の感動は格別です。施工中の現場って、どうしても資材の匂いや機械の音しか聞こえなくて、どこか無機質な場所なんですよね。
それがオープンした途端に、音楽が鳴り響いて、光が灯って、お客さまの歓声で空間全体に一気に命が宿るような感覚になる。自分たちが信じてつくってきた世界観が、現実に立ち上がったことを肌で実感できる瞬間です。 - 小林:
- どれだけ入念に準備をしても、空間にお客さまの熱量が加わって初めて、うんこミュージアムは完成します。オープン初日のお客さまの笑顔を見て、「このチームでここまでやりきって本当によかった」と改めて思うんです。
最後に、自分たちで空間をつくりきれるようになった今、このチームで次に目指していきたい景色を教えてください。
- 津留:
- 今回の横浜店を通して、どんなに構造上の制約があっても、アイデアと対話で面白さに変えていける自信がつきました。これからも「想像できる枠」をどんどん飛び越えて、世の中にない新しい空間体験をつくっていきたいです。
- 蜂谷:
- チームとしても、企画から設計、施工の現場調整までを内側で握れる強みが完全に確立されてきました。この機動力を活かして、うんこミュージアムはもちろん、今後はまったく新しいエンターテインメント空間の開発にもどんどん挑んでいきたいですね。
- 小林:
- 熱意を持って「こんなに面白いものをつくりたいんだ」と本気で信じていれば、社内外を問わず、必ず誰かがその熱に応えてくれます。私たちの強みは、自分たちの信じる世界観を、自分たちの手で具現化できるチームになれたことです。
これからも固定観念を壊し続けながら、世界中の人たちが直感で笑って楽しめるような、大きくて新しい体験を生み出し続けていきます。