INTERVIEW

社員インタビュー

体験の余韻を持ち帰り、新たな来訪のきっかけをつくる。
たのしいミュージアムのMD本部が、商品に込める「共有」の設計

たのしいミュージアムでは、うんこミュージアムで販売する商品の企画から発注、在庫の管理、売場づくりまでを自社で手がけています。
一連の過程を担っているのが、MD(マーチャンダイジング)本部です。大切にしているのは、「たのしい」体験をそのまま持ち帰り、身近な人と共有できるような商品をつくること。
本部長の青木 絵莉子さんと、商品企画を担当する後藤 深結さんに、商品がお客さまの手に届くまでの裏側を聞きました。

マーチャンダイジング本部 本部長

青木 絵莉子 (あおき えりこ)・左

マーチャンダイジング本部 商品企画

後藤 深結 (ごとう みゆ)・右

INDEX

01

「たのしさ」と「リスク」のバランスを見極め、商品企画から販売までのすべてを担うMDの仕事

まずは、MD本部がどのようなことをされているのか教えてください。

青木:
MD(マーチャンダイジング)は、何をどれだけつくり、いくらで売り、店頭にどう並べるかを設計する仕事です。私たちMD本部は、うんこミュージアムの商品について製作から販売までを一貫して担っています。

事業の拡大に合わせて、現在は4つの役割に分かれています。数値計画を立てる「MD」、何をつくるかを考える「商品企画」、納期や価格などの進行を担う「生産管理」、売場での見せ方を設計する「VMD」が、それぞれの専門性を活かしながら連携しています。
後藤:
私が関わっている商品企画ではオリジナル商品の立案からメーカーさんとのやりとり、商品管理や店舗のレイアウト改善まで、店頭にお客さまがいらっしゃるところまでを一気通貫で見届けるように動いています。

企画から在庫管理、売場の設計まで、専門性の結集で成り立っているのですね。

青木:
商品の企画や販売と聞くと一見華やかに見えるかもしれませんが、実際は日々リスクと実現可能性のバランスを取りながら、細かく設計を練っていく地道な仕事でもあります。過剰な在庫を抱えるリスクもあれば、欠品してお客さまをがっかりさせてしまうリスクもある。

その中で、本当にお客さまに喜ばれる商品なのか、どう製作し販売すればリスクを抑えられるのか。何度も問い直しながら、たのしいものが確実に届くよう向き合っています。
後藤:
たとえば商品の発注ひとつとっても、過去のデータの蓄積から見えてきた販売傾向をもとに数量に高低差をつけていくんです。

在庫を抱えるリスクとは常に隣り合わせなので、なるべく滞留させず、けれどもお客さまが欲しいタイミングで欲しいものが手元に届くよう、管理を続けています。

おふたりは、どんなきっかけでたのしいミュージアムに入社されたのですか?

後藤:
私は前職の生活雑貨チェーンで店長やSV(スーパーバイザー:現場でスタッフの指導や業務の統括・管理を行う役割)を務めるなかで、「売る側から、商品を生み出すつくる側に回りたい」という想いを抱いたことがきっかけです。商品企画は未経験でしたが、友人経由で知ったうんこミュージアムに惹かれ、店舗経験と意欲を買ってもらって挑戦することを決めました。
青木:
私は新卒から18年ほどファッションの世界にいて、ブランド責任者や営業責任者として企画から販売まで一貫して手がけてきました。モノづくりが好きでやりがいもありましたが、そろそろ違う景色も見てみたいと思ったんです。

特にエンタメの商品は、世界観やペルソナに向けてつくるファッションとは違い、「ミュージアムの体験そのものをどう表現するか」というアプローチになります。その違いに挑戦したかったことと、「体験」という圧倒的な価値を持つこの会社なら、物販の新しいビジネスモデルを一から確立していけると感じて入社を決めました。

02

体験の余韻を持ち帰れるかたちに変え、誰かと共有したくなる商品をつくる

たのしいミュージアムは、さまざまな「たのしい体験」をつくっている会社だと思います。MD本部はそんな体験づくりの中で、どんな役割を担っているのでしょうか?

後藤:
その場で味わったたのしい体験の続きを、持ち帰れるかたちにすることがMD本部の役割だと思っています。
特に、うんこミュージアムは、お客さまの体験が終わると、出口が商品売場に繋がるように設計しています。だからこそ、そこに並ぶ商品は体験の延長でありたい。持ち帰ったあとにうんこミュージアムを思い出せる、余韻を感じられるものをつくりたいんです。
青木:
うんこミュージアムで生まれた体験を、モノとして表現したいんですよね。
「ワクワク、時々たのしい、ちょっと面白い」という「うんこカワイイ」の世界観をモノに落とし込む。それが、この仕事の面白い部分であり、難しい部分でもあります。

そもそも「うんこ」という形自体が面白いので、商品にするだけでも十分面白く成立しそうに思えます。けれど、それだけでは物販を長く続けていくことが難しいのです。大切なのは、館内のコンテンツときちんと連動していること。お客さまが身近な人に商品を見せながら体験を語ったとき、周囲にも共感が生まれます。

その共感が「うんこミュージアムに遊びに行きたい」につながっていくわけです。そうして商品を起点に体験の連鎖を生み出せるかどうかが、商品の価値を決めます。
後藤:
商品を通じた体験の最後にあるのは、「共有」なのだと思うんですよ。持ち帰ったあとに誰かと分かち合えるかどうかに、価値が現れるんじゃないかと。

そんな「共有したくなる」を実際に形にできた商品の中で、印象に残っているものはありますか?

後藤:
2026年5月に発売した、オイルの中をうんこがゆらゆら漂う『ぷかぷかキーホルダー』は、まさに「共有したくなる」を体現できた商品だと思います。発売直後から、売上を大きく牽引してくれているんです。
企画したのは、もう一人の商品企画メンバー。「ウンコ・ボルケーノ」(※うんこが噴火する、一番人気のコンテンツ)をイメージした商品で、浮かぶうんこの形や、オイルの中で噴火するように見えるラメの入れ方など、細部まで徹底的にこだわりました。
発売から2週間ほどで数百個売れて驚きましたね。
青木:
うんこミュージアムの売上ランキングでは、いつも上位はお土産のスイーツやお菓子といった食品類が占めます。次に、名物になっているプニプニ触感のスクイーズ。

雑貨がランクインするとしても、カチューシャのような単価の高いものばかりなので、なかなかトップ10には届かないのですが、初めてキーホルダーが5位に入りました。
1,350円(税込)とそれほど単価の高い商品ではありません。純粋に販売数の積み上げでランクインしたのは前例がなく、MD本部に衝撃が走りました。

予想を超えて売れた理由は、どこにあったのでしょうか?

後藤:
私たちも気になって、「どういう方が買われていますか」とスタッフに聞いて回ったんです。
すると、中高生や若い女性の方が、お土産や誰かへプレゼントするためだけではなく、ご自身用に買っていかれているのが、たくさん売れた理由でした。

自分のために買って、身につけて出かける。人の目に触れる機会も多い商品ですね。

後藤:
そうですね。身につけていると、周りから「えっ、何それ」と思ってもらえる。目を引くアイテムだったことも、理由の一つなのだと思います。
青木:
分かりやすさと可愛さがあって、トレンド感もある。そこに「オイルの中で動く」というキャッチーさが加わり、どこか懐かしさもある。バランスよく、さまざまな魅力を詰め込めた商品になりました。

おふたりが大切にされている「共有」を後押しするのは、商品だけではないように思います。ディスプレイやショッパーまで含めて、購買体験がどのように設計されているのか教えてください。

青木:
商品に関わるもので、お客さまの目に触れるものは、すべて体験の延長だと考え、意図を持って作っています。
たとえば、ショッパー(※お買い物袋)。一般的にショッパーはブランドの顔になるので、ロゴを入れることが多いと思います。けれど、うんこミュージアムのショッパーは透明なんです。私たちの顔は商品一つひとつですから、商品が見えるように持ち帰ってほしいと考えています。

また、売場そのものも、シーズンごとに切り替えています。2026年の春夏は、商品を一点ずつ追加するのではなく、シリーズとしてまとめてつくり、一斉に並べました。世界観ごと並ぶ商品も入れ替わるので、お店に入った瞬間の印象が大きく変わります。館内のイベントも季節ごとに変わるため、ディスプレイの演出も少しずつ館内と連動させはじめました。

ミュージアムに入らず、商品だけを買いに来た方であっても、売場で世界観を楽しんでいただきたいという想いもあります。その後「次はミュージアムの中も見てみよう」「また新しい商品が出ている」など、足を運んでもらえるきっかけをつくりたいですね。

03

最後は必ず、「これ、本当に面白い?」を問い直す

たのしいミュージアムでは、年間いくつもの商品がリリースされていると思います。最終的に販売するか、しないかの判断は、どこで決まるのでしょうか?

青木:
面白いか、面白くないか。シンプルではありますが、最後はそこを問い直します。
社内で商品の試作品が上がってくると、実物を並べて確認する会があります。誰に向けた商品なのか、どんなタイミングで手に取るのかなど、議論を重ねますが、それでも最終的な判断は「じゃあ、これは本当に面白いのかな?」という問いに戻ってくるんです。

「面白い」かどうかを見極めるのが、一番難しそうです。

後藤:
そうですね。最終的には自分の感性を大事にしていますが、その上で館内でお客さまが何を楽しみ、どの場面でテンションが上がっているのかをいつも見るようにしています。

また、来場者アンケートや店舗スタッフからの声も、大きな手がかりの一つです。「修学旅行生がお土産に買っていった」「お揃いで買われる方が多かった」といった声をもとに、どのタイミングで、誰に向けて、どんなカテゴリーで出すかを組み立て直していく。サンプルを作って、納得がいくクオリティになるまでこだわる、その繰り返しです。
青木:
チームには、商品やその企画に対して思ったことを率直に言い合う文化があります。「これ、本当に面白いと思ってる?」というふうに真正面から聞かれる環境だから、たとえ納得のいかない判断をしそうになっていても、きちんと立ち止まれるんです。

「これ、本当に面白いと思ってる?」。実際に聞かれるところを想像すると、ひやりとする質問ですね。

青木:
妥協や「とりあえず形にした」という気配が商品から少しでも見えると、社内の誰かに必ず見透かされるんですよ。
経営陣が見ているのも、「やりたいことを100%出し切れているか」、そして面白いかどうか。だから、引っかかる商品は弾かれます。裏を返せば、100%やりたいことであれば挑戦させてくれる環境でもありますね。
後藤:
試作を重ねてある程度形になっていたとしても、自分たちが100%納得できなければ、安易に世に出すことはしません。メーカーさんとも密に対話を重ねながら、「ここまで進めたから」と妥協するのではなく、自分たちが心から胸を張れるクオリティにとことん向き合うようにしています。だから、並んでいる商品は、そこをくぐり抜けてきた精鋭たちなんです。

一方で、事業として成立させるためには妥協が必要な場面もありませんか?

青木:
たしかに生産の過程では、妥協せざるを得ない場面も出てきます。コストが合わない、納期が合わない、素材が手配できない。そこで折れて、納得できないまま「こうするしかないんです」という気持ちが残ると、最後のひと押しまでこだわりきれない。結果として作り込みが中途半端になってしまうんです。

だからこそ、私は本部長の立場として、みんなの話を聞きながら、なるべく冷静に商品のクオリティと事業性、この二つを両立させるための優先順位を決めるようにしています。難しい仕事ですが、それこそがMDの醍醐味かもしれません。

04

うんこ柄のスカジャンの裏側には、挑戦しやすい環境がある

「やりたいことを100%出し切れているか」「面白いか、面白くないか」、そして「事業として成立するかどうか」。さまざまな基準をくぐり抜けて、初めて商品が店頭に並ぶのですね。たのしいミュージアムは挑戦させてくれる環境だというお話がありましたが、これまで特に挑戦を感じた商品を挙げるとしたら、どれでしょうか?

青木:
私の中では、2026年7月にオープンしたうんこミュージアム YOKOHAMA BAYの企画に合わせてつくった「スカジャン」が印象に残っています。

「横浜店の限定商品で、インパクトのあるものが欲しい」という話から企画が始まり、チーム内で投げかけたところ、後藤がスカジャンをはじめ、いくつか案を出してくれたんです。

アパレル商品の中でも、刺繍をたっぷり入れるスカジャンはコストがかかることが予想されました。それでも高額な商品に挑戦したかったので、「やってみよう」と踏み切りました。

アパレルの中でも難易度の高い商品に挑戦されたのですね。

青木:
横浜店のオープンに向けた限定商品ですし、話題性もつくりたかったんです。値段も55,000円(税込)と、かなり振り切りました。
後藤:
最初に価格の案が出てきたときは、MD本部のみんなも「えっ!?」という感じでしたよね。うんこミュージアムで、横浜店限定の、うんこ柄のピンクのスカジャンが55,000円(税込)。かなりのチャレンジでした。
青木:
進めながら、みんなずっと「本当にやるんだろうか」と思っていたはずです。実現するのか、どんな方が買うんだろうか、と。でも、こんな企画を進められるのも、たのしいミュージアムならではなんです。

製作過程にも、たくさんの思い出があります。一点物のスカジャンをつくっている横須賀の職人さんに問い合わせたり、アパレルメーカーの中から刺繍の得意な会社を見つけて製作を進めたり。前例がなかったぶん、道のりの長い商品でもありました。
後藤:
修正するたびにクオリティが上がっていくから、全員に愛着が湧いてきて、最初は不安だったメンバーも「すごく可愛い」「これはいける」と盛り上がっていきましたよね。

一方でデザインは何度も議論を重ね、その都度修正しました。最初の試作品から改良を重ね、最終的にはまったく別物と言えるほど完成度を高めています。

一つの商品でも何度もつくり直しながら、長い時間をかけて完成までもっていくのですね。

青木:
そうですね。商品の製作販売は、企画書から店頭までの道のりに長い期間を要するので、その間にたくさんのドラマがあります。
後藤:
早いときは2ヶ月ほどで形になるものもあります。ただ、短い期間にも、さまざまな人の情熱や努力が凝縮されていて、本当に濃密な物語が詰まっているんです。
青木:
実際、仕上がったスカジャンには、横浜店の世界観とコンテンツの要素もうまく落とし込んでいます。最後の最後まで、携わった全員の「良いものをつくろう」という執念が表れた一着になりました。
コストはかかっても、「どんどん面白いことをやろう」という社内の空気があってこそ、実現したものだと感じていますね。

そうして、さまざまなトライ&エラーの積み重ねを経て、メンバー全員の想いを乗せた商品が店頭に並び、お客さまが手に取っている。それだけで、いつも本当にうれしいんです。

05

商品を起点に、うんこミュージアムへ足を運んでもらいたい

これからのことも教えてください。MD本部として、今後どのようなビジョンを描いていますか?

青木:
商品の販売だけで成り立つ店舗を出すことが野望です。

今の店舗には「体験」という圧倒的な価値があって、商品はそこに付随するものという状態です。ただ、商品そのものの可愛さや面白さ、独自性とブランディングを乗せることができれば、商品単独でも十分に戦えると思っているんです。
商品だけでビジネスとして確立できたとき、私たちが普段向き合っている商品は、初めてブランドになるのだと思っています。
後藤:
「うんこミュージアムに行ったから商品を買った」ではなく、「商品を見たから、うんこミュージアムに足を運ぼうと思った」という状態をつくることで、場と商品の相互の関係を築きたいですね。

今はミュージアムのコンテンツが生まれ、そこに連動して商品をつくるのが基本の流れです。物販の中から話題になる商品を生み出して、そこにコンテンツを紐づけるような提案ができるくらいになりたい。もっと言えば、いつかMD本部から、新たなIPを生み出したいんです。

商品の販売だけで成り立つ店舗の実現。そのために、これからどんな人と一緒に働きたいですか?

青木:
一つの仕事にこだわりながら積み上げていける人と働きたいです。これまでやってきたことにプライドがある方は、この会社にとても合うと思います。

私たちは突き詰めてものづくりに向き合っていますから、「何となく楽しそう」という気持ちだと、目の前の地道な仕事とのギャップに驚いてしまうかもしれません。

ただ、最初からたのしいミュージアムの仕事に高い温度感を持っている必要もないんです。「やってきたことをどう形にしよう」「ここでどう活かそう」という想いがあるだけで、活躍できるチャンスが現れる会社です。
後藤:
私のように業界未経験にもかかわらず、「いいよ、やりましょう」と挑戦させてくれる会社ですから、目の前の仕事に向き合えば向き合うだけ、やりたいことに挑戦できるはずです。

MDは、自分たちの頑張りがダイレクトに売上に出る仕事でもあります。陳列をどう変えたか、どんな商品を投入したかで、売上が大きく変わる。そんな手ごたえに面白みを感じられる方には、とても向いていると思います。
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